2018年5月5日、電子タバコが爆発し、使用していた男性が死亡する事故が発生した。
事故が発生したのはアメリカフロリダ州セントピーターズバーグ。
テレビ局のプロデューサーだったトールマッジ・ディエリアさん(当時38歳)が自宅でペン型の電子たばこを使用した所、爆発。
出典:bbc.com
トールマッジ・ディエリアさんは頭部を中心に体の80%以上に火傷を負ったが、死因の直接の原因は破片が頭蓋骨に突き刺さってできた外傷でありペン型電子たばこの破片2つが頭蓋骨から見つかっている。
このペン型電子たばこの爆発はアメリカで初の死亡事例となってしまった。
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電子タバコが爆発する死亡事故の原因とは
トールマッジ・ディエリアさんが使用し、爆発した電子たばこはフィリピンの業者「Smok-E Mountain」が製造したものと判明。
「Smok-E Mountain」の公式サイトはすでにアクセスできない。
実はこの「Smok-E Mountain」の電子タバコはmodやバッテリーを使用する人の好みにカスタマイズすることができるものだった。
「Smok-E Mountain」のようなカスタマイズできる電子タバコは世界で広く出回っているが、実はこのカスタマイズできる電子タバコこそ取扱いに専門の知識が必要である。
近年、大量の煙を味わうことを楽しもうとする人が多く、その為には電子タバコの高いワット数を確保する必要がある。
日本で販売されている一般的な電子タバコであれば爆発しても死亡事故がおこるほどの威力はないものと思われるが、男性が使っていた電子タバコはバッテリー容量(リチウムイオン電池)が大型のものであり、カスタマイズ方法にも原因があったのではと考えられる。
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原因はリチウムイオン電池?
今回の事故でバッテリー(リチウムイオン電池)が粗悪品の電池だったと考えそうだが、実はこの事故に限らず、世界でのリチウムイオン電池の事故は後を絶たない。
事故事例として2015年にアメリカコロラド州で29歳男性が電子タバコを使用した際に顔面で爆発。男性の歯は木端微塵に砕け、首の骨が折れた事故が発生している。
電子タバコが爆発した事故で死亡した事例は前項で紹介したトールマッジ・ディエリアさんの事故がアメリカで初の死亡事故だが、死亡するまでいかない重大な電子タバコの事故は今まで複数報告されている。
※閲覧注意
出典:epochtimes.jp
出典:youtube.com
また電子タバコの爆発事故の他、ヘッドホンの爆発事故、またスマホやノートPCなどの発火、それが原因で火災が発生するなど、リチウムイオン電池での事故は数多く報告されている。
つまりリチウムイオン電池は危険なものという認識を持ったほうがいい。
しかしなぜそのような事故報告があるなかで企業はリチウムイオン電池を使い続けるのだろうか。
その理由は使用している人、誰もが納得するエネルギー効率の高さ。
他のバッテリーでは到底かなうことのないエネルギー効率をリチウムイオン電池は持っており、だからこそ、一日中スマホやノートPCなどを長時間使用することができるのだ。
しかしバッテリー内部は繊細な構造で、不備があるバッテリーを使い続けた場合、異常発熱で発火する可能性がある。
世界で最初にリチウムイオン電池を使った商品が我が国のソニーのハンディカムだと言われている。
現在では世界に普及し、リチウムイオン電池を製造販売するサプライヤーは世界に数えきれないほどある。
しかも、求められる技術はさらに高く、よりコンパクトに、より大容量にというものだ。
そうなれば、世界中で大量生産されるバッテリーには製造上の欠陥や設計上の不備の他にも、使用する我々消費者の取り扱い方により、発火・爆発する恐れというのは想定の範囲内と考えて良いのだろう。
米消防局によると 、2009年から2016年の間に電子たばこによる爆発事故や火災は、個別のもので195件あり、133人の重傷者を出した。そのうち38人は特に重いけがだった。
電子タバコの爆発事故は報告されないものも多く実際にはさらに多い事故があったものと思われる。
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電子タバコの爆発を防ぐことはできないのだろうか?
では我々は安全に電子タバコを使用することはできないのか?
まずは、企業側に安全性を高めたバッテリーを製造するよう求めるのはもちろんだが、我々も、まずはリチウムイオン電池を使う電子機器は熱すぎる状態で使い続けないようにすることだ。
その他に不正に改造したリチウムイオン電池は使わない、また今回の死亡事故のようなカスタマイズができる電子タバコは取扱い知識がないようであれば使用しないほうが良い。