2014年6月10日ある少女を診察した精神科医が、長崎県佐世保こども・女性・障害者支援センターに連絡した。
医師は、長崎県佐世保市の高校1年の女子が
小学生の時に給食に異物を混入した
ネコを解体した
父親を金属バットで殴って大けがをさせた
過去にそのような行動を起こしたことを医師に伝えた。
そう、この少女こそ、
長崎県佐世保市女子高生殺害事件の犯人の女子高生だった。
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その後、遺体を切断した猟奇的殺人事件に至るまでに対応ができなかったのか?事件経緯までの行動について触れていく
女子高生が殺害事件で逮捕されるまでの経緯
■2010年12月 小学6年生の時、同級生2人の給食に漂白剤などの異物を混ぜる問題を起こす
■2013年10月 中学3年時、慕っていた実母が病死をきっかけに、不登校になる
■2014年3月 寝ていた父親を金属バットで殴って大けがをさせ、精神科病院へ通院を始める
■2014年4月 高校に進学するも中学時同様に、不登校の状態になる。
父親の判断で自宅近くのワンルームマンショ ンで一人暮らしを始める(これについては学校側からも同居するよう父親にお願いをしていた)
■2014年6月10日 少女を診察した精神科医が「このままでは人を殺しかねない」と児童相談所に相談した
■2014年7月7日 精神科医が父親に「児童相談所や警察に相談する方法もある」と検討することを促す
■2014年7月23日 病院への車中で少女が「人を殺したい」と継母に伝えている
■2014年7月25日 「人を殺したい」という女子高生の言葉を受け、父と継母、そして担当の精神科医、カウンセラーの4人で協議する。
父は同居生活は難しいと判断し「入院させる措置はとれないか」と頼むも医師が「難しい」と答えている
■2014年7月26日 4人での協議の翌日、同級生の女子生徒が殺害される
■2014年7月27日 女子高生が殺人容疑で逮捕
女子高生の人体への異常なまでの関心
女子高生が人体に興味を示し始めたの小学生の頃から始まっていた。
小学校の卒業アルバムにマンガクラブのメンバーと記念撮影をした際に女子高生が持っていたマンガも、猟奇的な描写が多く掲載されているマンガだった。
そのマンガには、人の胴体や首が切断されるなど残虐なシーンが多数含まれていた。
女子高生の人体に対しての関心はマンガの中だけに留まらなかった。
中学生になるとネコの解体を始め、自分自身の欲求はさらにエスカレートし「人間も殺してみたくなった」という発言と行動にまで発展していったと考えられる。
実際に逮捕された女子高生の部屋からは人体解剖図のある医学書、冷蔵庫からはネコの首が見つかっている。
小学校から始まっていた異常行動
小学6年時、人間が毒物を飲ませるとどのような反応をするのかという実態実験のような興味をすでに持っていたと推測される。
それが給食への異物混入だ。
スポイトを使って、漂白剤やベンジン、粉末洗剤2種類を少量ずつ水に混ぜ、同級生の給食に5回にわたって混入させた。
その給食を食べた同級生に対して、少女は「給食、おいしくない ?」と聞いている。
この事件が女子高生の犯行であったことがわかると明るく活発だった女子高生は、給食の問題を境に同級生とあまり口をきかなくなった。
事件の要因は何だったのか?
今回の事件は環境も大きく影響していたのも要因の一つではなかったのだろうか。
今回の事件には、「人を殺したい」と本人がSOSを出しているにも関わらず、16歳にも関わらず、ワンルームマンションでの生活を続けさせ、迅速かつ適切な対応をとることができなかったのが問題ではなかったのだろうか。
ワンルームマンションで誰にも相談できない環境で殺害願望をさらに膨張させたことも想定される
また、父親の再婚についても問題であったと取り上げられている。
実母が亡くなってから僅か7ヶ月で再婚。
相手は実母が亡くなった後に父親が参加したお見合いパーティで知り合った30代の女性だったという。
この当時、女子高生は友人に「お母さんのこと好きじゃなくなったのかな?」と漏らしていたという。
新しいスタートを切らなければならないという父親の気持ちもわからなくはない。
しかし女子高生の心理状態を考えると、あまりにもタイミングが悪すぎる。
女子高生の内に秘めたサイコパスを引き出すのには充分である。
殺人事件からおよそ3ヶ月後に父親は自宅で首を吊り自殺した。
娘に対しての責任、そし世間からの非難や、弁護士として順調であった仕事も事件をきっかけになくなり、一連の事件について悩んでいたという。
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長崎県佐世保市女子高生殺害事件「人を殺したい」対応が遅れた惨劇
長崎県では未成年による事件が過去にも起こっていることはあまりにも周知の事実だ。
それを受け、長崎県では命の尊さを未成年に伝える取り組みを積極的に行っている。
しかし、今回の事件は県教委の発表によると、殺人容疑で逮捕された少女(16)が通っていた高校の校長は14年4月25日、教職員から報告を受け、少女の異変に気づいていたにも関わらず、要対協や警察、児童相談所には連絡をしていなかった。
また父親自身も少女に金属バット で殴られ、大けがをした際、警察や児童相談所などには相談しておらず、弁護士の会合などで会った知人に頭部のけがについて「転んだ」などと語っていた。
この事件に限った話しではないが、女子高生の人権を守ったため女子高生の暴走を止めることができなかったとも考えられる。
公にすることで事件を防ぐことができたケースもある。
それは同県長崎市内の中学校でのケースだ。
中学校の校長が自ら、警察に「女子生徒が親を 殺して自分も死ぬと言っている」と連絡。
警察官が生徒の自宅に向かい児童相談所にも通告し、生徒は保護された。
このケースは生徒の家庭内暴力について親が、児童相談所に相談し、中学校にも情報が伝えられていた。
このように学校の連絡からであれば真実性も高く警察自体も動きやすいのだという。
プライバシーの問題も去ることながら、今回の女子高生の場合は、自らSOSを出していた。
「人を殺したい」
それにもう少し早く反応していればと悔やまれる。