ある日、突然銃を突きつけられ、顔面を撃たれたデビー・ベアグリー。
彼女は奇跡的に一命を取り留めたた、その襲撃の治療で10年以上も苦しんだ。
しかし、デビー・ベアグリーと彼女を撃った加害者に前代未聞の結末が。
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銃で顔面を撃たれた女性に訪れた前代未聞の結末
1990年7月、デビー・ベアグリー(当時28歳)は友人と共にフロリダ州タンパに旅行していた。
ダンパを漫喫したその帰り道、デビー・ベアグリーは突然、男に銃を突き付けられた。
デビー・ベアグリーはなんとか銃を払いのけ、逃走しようとする。
その瞬間、逃げるデビー・ベアグリーに向け男は銃を発砲。
その銃弾はデビー・ベアグリーの頬を通りから下あごと舌を貫通。
男はそのまま逃走し顔面に銃弾を撃ち込まれたデビー・ベアグリーは意識を失い、その場に倒れた。
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逮捕はされた男に驚愕したデビー・ベアグリー
デビー・ベアグリーは奇跡的に一命を取り留めた。
銃弾があと数センチでもズレていれば即死だった。
デビー・ベアグリーが銃で顔面を撃たれてから3日後、彼女のことを撃った犯人が逮捕されたことを聞かされ彼女は驚愕の事実を知った。
デビー・ベアグリーを撃った犯人はイアン・マヌエル。
なんと、まだ13歳の少年だったのだ。
イアン・マヌエルは別の犯罪を起こし逮捕された。
その取り調べの中で、デビー・ベアグリーを強盗目的で銃で撃ったことを自白した。
デビー・ベアグリーはイアン・マヌエルが少年であること、少年があのような恐ろしい事件が起こすことができるだという恐怖と何気ない幸せな生活を奪われたというと怒りの感情をおさえることができなかったという。
イアン・マヌエルは13歳で未成年であったにも関わらず、執行猶予なし終身刑を言い渡された。
13歳に対し重い刑罰であった。
当時より問題となっていた犯罪の若年化の抑止の意味あいもこめ、イアン・マヌエルは終身刑に処せられたのだ。
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意外な人物からの意外な一本の電話
92年のクリスマス。事件から2年が経過していた。
まだ顔面に受けた銃弾の負傷は癒えておらず、
デビー・ベアグリーは治療を続けていた。
そんな時、デビー・ベアグリーが予想もしなかった人物から一本の電話が。
「ベイグリーさん、イアンです」
電話の相手は刑務所に服役中だったイアン・マヌエルからだったのだ。
イアン・マヌエルの電話の声は緊張していたが、話しを止めることなく、事件で傷つけてしまったこと、そして今なお苦痛に苦しんでいることを謝罪。
過ぎたこととは言え、犯した罪を深く後悔し反省していることを伝え、最後に「ご家族と一緒に良いクリスマスを過してください」と伝えた。
出典:imishin.jp
あまりに唐突な電話の相手と、突然の謝罪。
心の準備ができていなかったイアン・マヌエルは複雑な心境であったという。
その後日、イアン・マヌエルからクリスマスカードが届いた。
デビー・ベアグリーはこのクリスマスの出来事をきっかけに心が大きく動かされた。
犯人イアン・マヌエルに対しての怒り、憎しみがなくなったワケではなかったが、イアン・マヌエルは心から改心しているのも伝わった。
加害者のイアン・マヌエルと被害者のデビー・ベアグリーはクリスマスの出来事以降、手紙のやりとりをした。
どのような幼少期を過ごしてきたのか。
また、2年間の刑務所での過ごしかたとこれからの生活。
また、自分が犯してきた事件に対しの罪悪感、自己嫌悪。
そんなイアン・マヌエルに対し、デビー・ベアグリーはいつからか励ましの言葉を綴るようになっていた。
「イアンが賢い子だとすぐに感じた。文通を続けるうちに、彼の人生を刑務所の中で無駄にしてはいけないと思うようになった。彼は罪を犯したことを心から後悔していたし、真面目で知性的な性格だった。彼にはチャンスが与えられるべきだと強く感じた」
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デビー・ベアグリーの前代未聞の行動
手紙の交換を続けるうち、デビー・ベアグリーはいつしかイアン・マヌエルを許すことを心に決め、それを行動に移した。
その行動とはイアン・マヌエルの終身刑に対し、異議を唱え、イアン・マヌエルの釈放を求めたのだった。
「彼を出してあげなければ、大切な命を見捨ててしまうような気がした。私は殺されなかった。彼に課せられた罰は必要以上に過酷すぎる気がしてならなかった」
この行動に対し家族や親族はもちろん、世間からもデビー・ベアグリー批判を受けた。
それでもデビー・ベアグリーはこの活動を継続。
出典:imishin.jp
事件から26年の歳月が流れた2016年11月、イアン・マヌエルは釈放された。
デビー・ベアグリーとイアン・マヌエルは事件があった場所からそれほど遠くない場所で友人として再会を果たした。
出典:imishin.jp
デビー・ベアグリーとイアン・マヌエルの一連の事件動画がこちら▼▼
デビー・ベアグリーはおよそ10年、負傷した顔の整形手術に時間とお金を費やしたうえ、精神的苦痛も味わされた。
デビー・ベアグリーの行動はアメリカで、現在も賛否が分かれている。
それに対し、デビー・ベアグリーはこう答えた。
「誰でも間違えを起こすことがある、同時に誰もが一生懸命生きてる。そして人生は嫌な気持ちを持ち続けるには短すぎる。私は、一瞬の内に全てを失う感覚がどんなものかを理解している。必要なのは許す心、これが最高の癒しとなるのだから」
一瞬の出来事であるとは言え、自らの人生を変えるほどの事件を起こした相手を、あなたは許すことができるであろうか。
これほどの『許す心』というものを皆が持ちあわすことができれば世界各国で今現在も続く戦争はなくなるのではないだろうか。