逗子ストーカー殺人事件
ストーカー問題は規制法が法律として制定された以降も、深刻な事件が後を絶たない問題。
この逗子ストーカー殺人事件はどのようなものだったのか?
逗子ストーカー殺人事件とは?<事件概要>
事件が起きたのは2012年11月6日場所は神奈川県逗子市のアパート1階。
このアパートの部屋の居間で当時33歳のフリーデザイナーの三好梨絵さんが変わり果てた姿で見つかる。
犯人は元私立女子高で社会科を担当する非常勤教員の小堤英統(こづつみ・ひでと)容疑者。
自身も後を追うようにこの家の2階で自殺をしている。
逗子ストーカー殺人事件 2人に何があった?
三好梨絵さんと小堤英統容疑者に何があったのか?
小堤と三好さんは趣味でやっていたバトミントン教室で意気投合し付き合うのがきっかけ。
これが事件の起きる8年前の2004年の事だった。
しかし、2人の交際は2年程で終わりを迎える。
この時点から小堤英統容疑者は、別れた未練から執拗にメールを三好梨絵さんに送るようになった。
いわゆるストーカー行為のはじまりだ。
しかし、この時は三好さんが警察に相談した事でメールは途絶え、解決したかに見えた。
その後2008年に三好梨絵さんは別の男性と結婚をして、事件が起きた逗子に引っ越す事になる。
逗子ストーカー殺人事件<執拗なまでの嫌がらせ>
この時に結婚し、苗字が三好になっていた。
三好さんは新しい苗字も住所も小堤英統容疑者には伝えているはずもなく、幸せな生活を送っていた。
しかし、そんな時間は長くは続かなかった。
小堤英統容疑者はその後も三好さんの状況を調べつくし、身内を装って三好さんの会社に電話をかけ三好さんが結婚したのを知る。
これを機に2010年ころから小堤容疑者の嫌がらせのメールがまた再開する。
メールの内容は「ぜってー殺す」「刺し殺す」などと殺害をほのめかす内容。
そのメールの数はなんと一日100件にも及ぶ事もあった。
この段階で三好さんの精神状態も限界に近づき警察に相談。
そして小堤英統容疑者はストーカー規制法により2011年6月に逮捕される。
懲役1年・執行猶予3年の有罪判決がくだる。
しかし、この逮捕がキッカケで小堤英統容疑者は知らなかったはずの「三好」と言う新しい苗字を知ってしまう事になる。
出所した小堤英統容疑者は以前にもまして執拗にストーカー行為を行なうようになった。
新しい「三好」の名前を知った小堤容疑者は意図を隠した上でYahoo!知恵袋などを利用して、三好梨絵さんの住む地域について質問したり、電話などの履歴から特定できる方法などを質問して、その住所を特定しようとしていた。
この時は住所の特定はできていない。
また複数のアカウントを所有して、凶器の事なども質問していたようだ。
殺意はこの段階であったものと思われる。
メールでの嫌がらせもさらにヒートアップし、この時の嫌がらせのメールは2ヶ月で、なんと1089件にも及んだ。
メールの中には「結婚を約束したのに別の男と結婚した。契約不履行で慰謝料を払え」
三好さんには身に覚えのない内容であり、エスカレートする嫌がらせに再び警察に通報。
この時、警察は小堤容疑者を逮捕できるだけの行為がないと三好梨絵さんの届けを通す事はできないというのが回答であった。
この後、何故かピタリと小堤容疑者の嫌がらせはなくなる。
すべてが終わったかのようであったが、実は小堤英統容疑者は少しずつ三好梨絵さんの元へ近づいていた。
小堤英統容疑者は探偵を利用する。
この時、事件が起きた2012年11月。
探偵事務所は市の職員に家内を装って電話をかけて住所を聞き出す
(事件後、探偵事務所の人間は逮捕されている)
そして、遂に住所を知った小堤英統容疑者は三好梨絵さんの命を奪った。
スポンサーリンク
何故これほどまでに事前に被害があったにも関わらず、事件を止められなかったのか?
そこには前述した中に3つの問題点があったと思われる。
逗子ストーカー殺人事件<4つの問題点>
- 勤務していた会社であっさり情報開示をした
- 逮捕時に警察が読み上げた文面で「三好」という個人情報を開示した
- 探偵事務所の虚偽を見抜けなった調査不足と、不法な個人情報の取得と開示
- 誰でも情報開示が可能な状態であった、市の個人情報管理体制の甘さと認識不足
三好さんは市役所に情報開示の制限を要求していた。
しかし情報が見れるパソコンは職員なら誰でも閲覧でき、結果、探偵事務所から電話を受けた職員が住所を簡単に教えてしまう結果になってしまった。
この4つの問題点が、三好梨絵さんの命が奪われることになったきっかけと言っても過言ではない。
スポンサーリンク
逗子ストーカー殺人事件<おわりに>
もちろん、この4つの問題点を完全に防止したからと言って、ストーカー行為がなくなる訳ではない。
しかし要因を一つ一つ潰していく事が犯罪者を増やす事を防ぎ、命が守られる結果となりうる。
三好梨絵さんの命を無駄にせぬよう、一日も早い管理体制を整える必要がある。