こともあろうか、ドキュメンタリー番組の収録に参加した大富豪ロバート・ダーストが収録中のトイレで殺人をつぶやいてしまい、逮捕されるという事件が起こった。
2015年3月14日、ドキュメンタリー番組「THE JINX / ザ・ジンクス」の収録が行われていた。
この番組は翌日の放送が最後で、まさに大富豪ロバート・ダーストの特集が最終回であった。
ロバート・ダーストは過去に殺人事件に関与した疑いがもたれていた人物であり、疑惑が当時も残ったままとなっていた。
収録中、トイレに行くために中座。
になが衣類につけていたインタビュー用のマイクはオンになったまま。
しかしロバート・ダーストは気付かず
「What the hell did I do? Killed them all, of course(自分が何をしたかって?全員殺したに決まってるじゃないか)」
これを聞いたスタッフが警察に即通報して、ロバート・ダーストは逮捕された。
ロバート・ダーストは、いったいどのような殺人事件を起こしてしまったのか。
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ニューヨーク不動産王の息子 ロバート・ダーストが起こした事件
ロバート・ダーストはニューヨークの老舗不動産会社の創設者シーモア・ダーストの息子。
この不動産会社はタイムズスクエアやWTCなどニューヨークの名所とも言えるビルを建築・管理する、まさにニューヨークの歴史上、欠かすことのできない不動産会社。
つまりニューヨーク不動産王の息子 ロバート・ダーストは一流セレブであり、幼い頃から彼のことを知らない人がいないくらい有名だった。
第一の事件 キャスリーン・マコーマック失踪事件
1973年共通の友人を介して知り合ったキャスリーン・マコーマック。
歯科衛生士のキャスリーン・マコーマックは容姿端麗で知的、そのほか愛想が良いと言う3拍子揃った美女。
ロバート・ダーストはそんなキャスリーン・マコーマックに惹かれた。
キャシーは美人で頭がよく、明るく快活な性格で誰からも好かれていた。
そんな2人は身分格差相応ではないという理由から周囲に反対をされるも、それを押し切り結婚。
そして2人はあえて田舎で一緒に暮らし、自然食料品店を経営した。
しかし父シーモアの不動産業を手伝うようプレッシャーにやむ終えずニューヨークに戻った。
愛し合った2人であったが、子どもの話題となるとその愛にも少しずつ亀裂が入っていた。
結婚する前から子どもはいらないと言っていたロバート・ダーストに対し、子どもがほしいというキャスリーン・マコーマックの間ですれ違いが起きる。
キャスリーン・マコーマックがいつからか子供の話題に触れると「子どもを生むなら離婚する」と言い暴力をふるようになった。
そして少しずつロバート・ダーストの暴力がエスカレートし結婚から10年後に別居。
別居を機にキャスリーン・マコーマックはニューヨークの名門医大に入学する。
1982年1月31日に友人女性のパーティに赴き、その間にロバート・ダーストと電話で口論になっていたのを友人たちが見ており、ひどく怯えていたという。
キャスリーン・マコーマックは午後7時半頃にロバート・ダーストがいるニューヨーク郊外のコテージに向かい、その後の行方が分からなくなった。
一度だけキャスリーン・マコーマック本人から「具合が悪いので欠席する」と大学に電話があったが、これを最後にキャスリーン・マコーマックは行方不明になった。
その後、キャスリーン・マコーマックは2017年の4月に死亡認定がされている。
死亡日はロバート・ダーストが彼女を最後に目撃した1982年1月31日と定められた。
真っ先に疑われたのはロバート・ダーストであったが、証拠不十分で当時、別の家にいたというっことで逮捕までいかなかった。
しかしセレブに起きたゴシップはアメリカ全土が注目し今でも『史上最も不穏な事件』と呼ばれている
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第二の事件 作家 スーザン・バーマン殺人事件
2000年12月24日に作家 スーザン・バーマン(55歳)が自宅で何者かに殺害され遺体で発見された。
スーザン・バーマンは後ろ手に縛られた状態で後頭部を銃で撃たれていた。
スーザン・バーマンはロバート・ダーストとは大学時代からの親友であり、この殺人についてもロバート・ダーストが容疑者として疑われた。
理由があった。
それは警察の調べでスーザン・バーマンのパソコンの中に死の数ヶ月前にロバート・ダーストから5万ドル(約600万円)の現金を受け取っていた記録が残っていた。
またキャスリーン・マコーマック失踪の真相を知っていたと言われ、口封じに殺害されたのでは?と警察は睨んでいた。
その際、一度捜査が終了していたキャスリーン・マコーマックの失踪事件も再捜査が始まった。
しかしこの時もロバート・ダーストに容疑がかかるも逮捕されることはなかった。
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第三の事件 モーリス・ブラックのバラバラ殺人事件
2001年10月9日、ロバート・ダースト自宅アパートの隣人、モーリス・ブラック(71歳)のバラバラ死体が発見された。
このバラバラ殺人事件でようやくロバート・ダーストが逮捕された。
事件はモーリス・ブラックが拳銃を所持して侵入。
激闘の末ブラックさんを射殺し、遺体をバラバラに切断しカバンに入れ近隣の海に捨てた。
なぜ、この犯人がロバート・ダーストだとわかったのか。
それはモーリス・ブラックのバラバラの遺体を入れたかばんを捨てた後、かばんは海上に浮かび発見された。
そしてかばんの中からバラバラの遺体とともにロバート・ダーストの名前が書かれた領収書が見つかり逮捕となったのだ。
逮捕されたロバート・ダーストは腕利きの弁護士を雇い徹底した弁護で裁判を有利に展開。
ロバート・ダースト「私が正当防衛によって殺害したことを誰も信じてくれないと思い、死体を切断してガルベストン湾に捨てた」と主張。
陪審員は正当防衛を認めロバート・ダーストはまたしても無罪を勝ち取る。
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番組収録中のトイレで殺人をつぶやいてしまった大富豪ロバート・ダースト<まとめ>
「What the hell did I do? Killed them all, of course(自分が何をしたかって?全員殺したに決まってるじゃないか)」
これが証拠となり、スーザン・バーマン殺害の容疑でロバート・ダーストは再逮捕されます。
実際の音声はこちら。
このロバート・ダーストの一連の事件を題材とした『幸せの行方』という映画が放映されている。
それだけインパクトの大きな事件であり、注目された事件であったのだ。