松永太はどのような生い立ちでサイコパスとなったのか?

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サイコパス(Psychopath)は異常心理学でいうところの反社会的人格の一種を意味する精神病質(サイコパシー)の通称であり、こじまうたを指す心理学用語。

精神病質(せいしんびょうしつ、psychopathyサイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学生物学的精神医学などの分野で使われている。

wikipediaより

日本の事件史上最悪のサイコパスと言われる犯罪者 松永太

あまりの残酷な事件内容に報道規制がかかるほどの『北九州一家監禁殺人事件』の主犯格。

『北九州一家監禁殺人事件』が報道規制されていた故に、全国的認知度は低いにも関わらず15年を過ぎた今、この事件が注目されている。

その理由は2017年10月にフジテレビ系列で放送された「ザ・ノンフィクションSP 人殺しの息子と呼ばれて・・・」だ。

松永太と緒方純子の実の息子が正体隠して生きる24歳の苦しく悲しい人生の告白をテレビで告白するというもの。

この勇気ある行動と殺人事件を間の当たりにした生々しい告白に、大きな反響を呼び、事件から2017年12月15日(金) 21時00分から特別版として放送。

事件から15年を過ぎ、当時報道規制のかかった『北九州一家監禁殺人事件』も、現在ではネットを通じて当時の事件の恐怖を調べることができる。

しかし一番気になるのは、松永太はなぜ猟奇的なサイコパスとなったのか?

自ら手を下すことなく、7人を殺害したにも関わらず、死刑を宣告されるという、異例づくしのこの殺人事件。

今回は松永太はどのような生い立ちでサイコパスとなったのか?

サイコパスとなった生い立ちについて見ていく。

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松永太の生い立ち<小学校~>

松永太は1961年4月28日に『北九州一家監禁殺人事件』の事件現場と同じ、北九州市小倉北区で松永商店という布団販売業の長男として生まれた。

地元の公立小学校に入学した松永太は当時から優秀で成績は全て『5』評価だった。

勤勉であったかというと、そうではなく特に勉強をせずとも持前の記憶力と計算力で、頭一つ抜きんでていた。

成績優秀であった故、学級委員長や生徒会役員なども務めており、この頃から、支配欲というのが松永太の生い立ちの中で形成されていったのだろうか。

松永太の生い立ち<中学・高校~>

中学に入ってからも松永太の成績は非常に良く、1年生の時に校内の弁論大会に出場し、1年生にも関わらず優勝している。

さらに松永太の優等生ぶりはスポーツでも如何なく発揮されており、バレー部に入部した松永太はバレー部のキャプテンとして部を牽引しした。

スポーツ万能、口を開くと説得力のある語りと人を惹きつける話術で、小学校時代と変わらず優等生路線であった。

しかし一見優等生に見える松永太の裏の顔を教師たちは知っていた。

教師の前では優等生として演じる一方で、裏で自分より弱い人間を見繕って自分の手を汚さず彼らに悪いことをやらせていたの教師たちは知っていたのだ。

そんな教師たちからは松永太は逆に評判が悪かった。

リーダー的存在で目立ちたがり、周囲には有無を言わせぬ威圧感を与え、支配することの快感を覚え出したのもこの頃からだろう。

数字にも強かった松永太は、この頃から金に興味を持ちビジネスプランや投資についても、中学時代から語っていたという。

高校に入学しても松永太のスタンスは小学校の頃から変わることはなかった。

この高校では後の『北九州一家監禁殺人事件』で共犯者となった緒方純子も在学をしていたが、この当時はほぼ接点がなかった。

松永太は、この高校で痛恨のミスをする。
高校2年生の時に生徒会の風紀委員長に立候補して当選しているが、在学の女子学生と
性的関係が発覚。

松永太は、他校に転校するしかなかった。が、編入先の高校でも3年生の時に、どういうわけか風紀委員を担当する。

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松永太の生い立ち<高校卒業後から株式会社ワールド設立>

1980年3月、松永太は編入した高校を卒業。

生い立ちとしては、これまで悪がき程度のものであったが、社会人となった松永太は周りを掌握するその支配欲を大きく顔を出す。

高校卒業後、大学へは進学せず福岡市内の菓子屋に就職するも、わずか10日で退職。

その後、家業である布団屋を手伝うようになった松永太に、父親は経営権のほぼ全てを譲った。

布団販売業を大胆に改革経営権を得た松永太は学生時代からの目立ちたがりが前に出る。

1981年5月自宅を本店として、有限会社ワールドを設立。

さらにその4年後の1985年には自宅敷地内に鉄筋3階建ての自社ビルを建設。

翌年の1986年には資本金500万円を投入し有限会社から株式会社化。

松永太の行動は自他ともに見ても目立っていた。

しかしワールドの実態は詐欺集団以外の何者でもなかった。

高額な布団セットを押し売り、時には恐喝や法律すれすれの販売手法で稼ぎ、経営状態は常に自転車操業であった。

そして共犯の緒方純子が松永太にマインドコントロールされた後、ワールドで事務員として働いていた。

松永太の恐ろしくサイコパスな一面が、経営者として欠落していてると思われるのが従業員に対してだ。

入社したばかりの従業員には、会社近くの監禁部屋を設け、そこで一度、監禁状態にして、悪徳商法を叩きこんで詐欺の布団セットを販売を強要。

さらに仕事でミスをすれば罰金としてペナルティを課せ、背後に暴力団をチラつかせ脅し、松永太が気にいらない言動などがあれば、暴力でねじ伏せた。

その従業員のペナルティの一つとして使用されていたのが 『北九州一家監禁殺人事件』で大きく取り上げられた通電による電気ショック。

もちろん、通電による電気ショックはこの頃に松永太が考えた。

このような行為で恐怖を植え付け自分の支配下におくスタイルは『北九州一家監禁殺人事件』と同様で当時の従業員たちも松永太に怯え絶対服従であった。

そのような悪徳経営の株式会社ワールドの売上は少なくとも1億8000万円以上と言われている。

しかしそのような詐欺商法を繰り返す経営は長く続くことはなかった。

1992年10月株式会社ワールドが破綻し倒産。

会社を存続させることより人を人とも思わずモノのように支配欲だけを満たすという趣味嗜好の末の倒産だ。

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松永太の生い立ち<家族と女性関係>

高校を卒業したおよそ2年後の1982年1月。松永太は最初の嫁と結婚し、1983年には息子が誕生する。

家族も増え実業家として歩みだした松永太であったが、女性関係も酷かった。

結婚して1年も経たないうちに10人以上の愛人がおり、その中の一人が同級生であった緒方純子であった。もちろん緒方純子とも不倫関係になっている。

巧みな話術と行動、そして独自のマインドコントロールで女性を翻弄していった。

初対面から親しくなるまで、紳士的に振る舞い油断させ信頼を得る。

しかし、関係を持った途端に女性の過去の恋愛や私生活を蒸し返し、それを完膚なきまで罵る。

そして女性に自分が悪いという気持ちにさせ蝕むかのように女性を掌握する。

一度、松永太の毒牙に陥ると、それを払いのけるのは非常に困難であったという。

これだけ派手な女性関係を持って嫁が知らないワケがなかった、というか知っていたが、松永太のDVが怖くて反抗できなかった。

緒方純子が愛人の一人であった事実を知っていたことも、事件後に嫁は語っている。

1992年株式会社ワールドが倒産した都市にDVに耐えきれなくなった嫁は長男とともに警察にDVの被害申告を出、警察が紹介した施設に逃げ込んだ。

松永太は警察から事情聴取されるも巧みな話術によって切り抜け、その後、嫁と長男を探して住民票をたどって、嫁と子供の所在を探そうとする。

しかし、警察から市役所にすでに連絡がはいっており、市役所は情報開示せず松永太は居場所を突き止めることができなかった。

2か月後に嫁の離婚調停の申し立てを、松永太も諦め承諾。

離婚後も女性関係は相変わらずであったが、そこに最後まで松永太と深く関わっていたのが緒方純子だ。

その後、史上最悪と言われた『北九州一家監禁殺人事件』の犯罪者として、二人は世間から注目を集める存在となった。

松永太の生い立ちから思う人生観とは

逮捕後、司法当局は松永太に供述をさせるため、あえて若手美人検察官をあてた。もちろん松永太の女好きを見越しての判断だ。

若手美人検察官を見た、松永太は調子にのり、雄弁を語った。

その中に松永太の供述調書に残っている『人生のポリシー』

私はこれまでに起こったことは全て他人のせいにしてきました。

私自身は手を下さないのです。

なぜなら、決断をすると責任を取らされます。

仮に計画がうまくいっても、成功というのは長続きするものではありません。

私の人生のポリシーに、『自分が責任を取らされる』というのはないのです。

私は提案と助言だけをして、うまみを食い尽くしてきました。

責任を問われる時代になっても私は決断をしていないので責任を取らされないですし、もし取らされそうになったらトンズラすれば良いのです。

常に展開に応じて起承転結を考えていました。

『人を使うことで責任をとらなくて良い』ので、一石二鳥なんです。

※出典元:消された一家―北九州・連続監禁殺人事件

なんとも哀れな人生のポリシーだ。

人を支配し掌握することで自己の欲求を満たす松永太は日本で数少ないサイコパスであることは言うまでもない。

自分の目的のためにあらゆる手を使い、それでいて言葉巧みに人に強要することで責任からは逃れ目的を果たすというのは、人として完全に欠落している。

また松永太というサイコパスのルーツを辿るべく、人間像に迫ったが、両親については松永太の逮捕後は家族、親族ともに一切、メディアの取材はうけておらず現在は安否すら不明。

松永太は現在、福岡拘置所で死刑執行の時をどのように待っているのだろうか。