1998年7月25日夕刻。和歌山県和歌山市の園部地区で行われた夏祭りで、事件は発生した。
夏祭り会場で提供されたカレーに毒物が混入されていたのだ。カレーの中に混入されていた毒物は「ヒ素」、このカレーを食べ、4人もの命が奪われた。
事件後、シロアリ駆除のためにヒ素を所有していた近隣の住人、林眞須美が捜査線上に浮上する。
連日マスコミは林家の前に陣取り、その後に逮捕。
2009年5月18日には最高裁判所にて死刑が確定したが、林眞須美は無実を訴え再審請求中。
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しかし未だ近隣住民からも囁かれる新事実。
それは真犯人説だ。
その内容は裁判時の弁護側の弁論要旨の内容からも読み取れる。
弁護側の弁論要旨の内容
弁護人は本事件受任後、2カ月に1~2回のペースで現地に入り、住民達から事情を聞いてきた。
共通する話は、当時、地域の一部の住民の間にはトラブルが絶えず、犬が毒殺されたり、物置に放火されるという事件もあった。
現在もなお、地元では林眞須美が犯人ではないのではないか?と、言う人たちがいるのである。
原審判決は、以下の事実をもって林眞須美が犯人であると認定している。
■検察側見解
現場のカレー鍋に混入されていた亜ヒ酸(ヒ素)と林眞須美の自宅等にあった亜ヒ酸(ヒ素)が同一である。
■弁護側見解
林眞須美宅等にあった亜ヒ酸が使われたとしても、これに接触できる人は林眞須美の家族を含めて20人近くに上る。としている。
しかも夫は当時、亜ヒ酸をプラスチック容器に入れて、夏祭り会場に面した貸ガレージに置いていた。
このガレージは施錠されておらず誰でも入ろうとすれば入ることができた。
■検察側見解
林眞須美が午後0時20分から午後1時までの間、1人でカレーを見張っており、カレー鍋に亜ヒ酸を混入する機会があった。
■弁護側見解
林眞須美はずっと次女と一緒であった。
実際に、次女もずっと一緒だったと証言している。
林眞須美と見張りをバトンタッチした女性も、次女と林眞須美がガレージの中で一緒に並んで座って話をしていたと証言。
近所に住む女子高生は「午後0時から午後1時にかけて白いTシャツを着て首にタオルを巻き、髪の長い女性が1人でカレー鍋の周りを歩き回り西鍋の蓋を開けた。そして、その女性は林眞須美であった」と証言している。
しかし、林眞須美が着ていたのは首にタオルを巻いておらず黒のTシャツ。
髪も長くない。
この白のTシャツを着ていたのは実は林眞須美の次女。
次女は当時、体重約70キロ、身長約160センチと林眞須美とよく似た体型でしかも白のTシャツを着て、首にタオルを巻いていた。
この証言をした女子高生は林眞須美と次女を見間違えたのである。
この目撃証言は、林眞須美が犯人であると疑わしめるものではなく、むしろ次女の証言を裏付けるものである。
また、その場所には、林眞須美の4歳の子供もいた。
しかも次女は、鍋は違ったとしてもカレーの味見をしたのである。
もし、林眞須美が毒物を混入したとすれば、そのような危険な場所に子供を連れて行くであろうか。
■検察側見解
他の時間帯において、他の者が亜ヒ酸を混入する機会がなかった
■弁護側見解
他の時間帯においては、他の者が毒物を混入する機会がないとされていることにも、重大な疑問がある。
原審判決は、林眞須美の場合以外はすべて複数の者がカレー鍋を監視していたことを理由に、林眞須美が監視していた時間帯以外に毒物を混入する機会はなかったとしている。
カレー鍋は午後3時にガレージから会場に運ばれた。
そこでは夏祭りの準備が行われており、多数の人が出入りしていた。
そして午後5時からは蓋が取り払われ再度加熱されて入れ代わり立ち代わりがあり、木のしゃもじで1時間余りにわたってかき混ぜられた。
これらの間に、誰かが毒物を混入するすきが全く生じなかったと断定できない。
林眞須美およびその家族がカレーを食べていない弁護側見解林眞須美およびその家族がカレーを食べていないとされていることは、林眞須美が疑わしいとされる理由にならない。
確かに、林眞須美およびその家族はカレーを食べていない。
(次女はガレージでは味見しているが)しかし、それは林眞須美の夫が急遽予定を変更して林眞須美や家族を連れてカラオケに行ったからに他ならない。
林眞須美は長女と三女を家に残してカラオケに出かけている。
しかも出かけるにあたって子供たちにカレーを食べないようにとは指示していない。
そして、子供たちのために晩ご飯も用意していない。
もし林眞須美が毒物を混入していたとすれば、何らかの指示をしないはずがない。
このこともまた、林眞須美が犯人でないことを証明する有力な証拠である。
以上のとおり、林眞須美は本件事件の『犯人ではない』としている。
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そもそも林真須美被告には、動機が無い。
ということは、冤罪事件の可能性は否定できない。
では一体誰が?そもそも2017年現在まで、事件以降、事件現場で夏祭りは開催されていない。
近隣住民も他に真犯人の可能性を無視していないという裏付けにもなる。
住民たちは何か知っているのだろうか?