2001年3月6日、北海道室蘭市の中心部のバス停付近で、室蘭栄高校1年生の千田麻未さん(16歳)の行方が分からなくなった。
北海道室蘭女子高生失踪事件<特徴>
千田麻未さんは室蘭市内に住み道立高校に通う1年生。身長が153cmで体系はスマート。
ストレートの黒髪。
耳にピアスを付け、銀色の指輪をしていた。
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中学校時代から「ちっちゃん」という愛称で呼ばれ、成績も優秀。
友人も多く、男子生徒からも人気があった。
北海道室蘭女子高生失踪事件<失踪当日>
6日は高校が入試のため休みだった。
期末テストはすでに終了し、学生が最も開放的な気分に浸る時 だった。
千田麻未さんはこの日の正午過ぎ、自宅からアルバイト先に「午後1時過ぎにゆく」と電話した。
千田麻未さんは自宅近くのスーパー内にあるパン屋でアルバイトをしていた。
この日は自宅から約7キロ東に行った場所にあるパン屋の本店 (普段のバイト先は支店になる)でコーヒーの入れ方の指導を受けることになっていたといい、電話は本店に出向く時間を告げたものだった。
千田麻未さんは電話の後、ベージュのブレザーと組のジーンズ、バーバリー 製のチェックのマフラーを身につけ、緑色の革靴を履いて外出した。
まず 自宅近くのコンビニに寄ったのが防犯カメラで確認されている。
そしてバス停から市内を巡る循環バスに乗車。
バスの後部座席から外の友人に手を振る姿が目撃されている。
パン屋の本店は市内を東西に横切るJR室蘭線の東室蘭駅の北側にある。
千田さんが通学している高校があるのは海に近い駅の南側だが、千田麻未さんはまずパン屋近くでは降りずにJR室蘭線の南側まで行き、バスを降りた。
そしてスーパー「室蘭サティ (現・ボスフール室蘭店)」に入り、化粧品売り場近くに15分間ほどいた。
防犯カメラの映像には午後1時4分と午後1時26分の2回映っている。
防犯カメラに映った千田麻未さん
午後1時30分頃、女子高生はスーパー北側にある「東町二丁目」のバス停付近で、偶然、同級生の男子生徒2人と会い、道路越しにあいさつを交わした。
その後、「東町二丁目」のバス停から午後1時31分発のバスに定期券を使って乗車。
JR東室蘭駅の北側にある市内最大の繁華街にある パン屋本店近くの「東通」というバス停で、9分後の午後1時40分に降りたと見られている。
午後1時42分ごろPHSにかかってきた男性友人の電話に対して「今、 下 (地元で「東通」付近を意味する言葉) に着いた」と場所を告げている。
このとき緊迫した状況はなかったという。
友人は午後1時46分頃にも女子高生のPHSに電話をかけたが、このときは「今は話せないからあとでね」と答えて電話を切っている。
この電話について、友人の印象は静かな場所からかけてきたと話しており、室内の可能性があった。
このPHSは 6日の夕方から電源が切られてしまい連絡がつかなくなっている。
PHS の相手の男性は千田麻未さんがバイト先でコーヒーの入れ方を学んだ後に会う約束をしていた。
ここで千田麻未さんの行方はわからなくなってしまった。
凡帳面な性格で数週間先の予定まで記した手帳が見つかっており、家出の可能性は少ないと見られている。
北海道室蘭女子高生失踪事件<事件での風評被害>
行方不明直後から、千田麻未さんが訪れる予定のあったパン屋本店の30代の男性店長が何らかの事情を知るものとして注目を集めた。
店長は「約束した午後1時に店に現れず、午後1時30分まで待ったが現れないので自宅に帰った」と証言したが、千田麻未さんの行方不明時のアリバイがないため疑われた。
これによる風評被害を受けた。
このほか、千田麻未さんは以前からストーカーの被害を友人に相談しており、そのため知らない番号の電話に出ないようにしたり、バイトの時間を変更してもらったりするなどしていた。
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北海道室蘭女子高生失踪事件<新たな仮説>
「週刊ポスト2004年10月1 日号」で、新たな仮説が紹介されている。
千田麻未さんが乗ったバスに同乗してい た乗客11人のうち、3人の身元が確認できないという。
バス内で千田麻未さんに目をつけた3人が集団で連れ去った可能性もあると指摘している。