2009年9月19日、乗鞍岳にある「ひだ丹生川乗鞍バスターミナル」で思いもよらぬ事件が起こった。
なんとツキノワグマが興奮した状態でもの凄い勢いで登山口に向かって現れ、観光客に襲いかかったのだ。
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乗鞍岳・畳平のクマ襲撃事件<事件詳細>
最初に襲われたのは徳島から68歳の男性Aさん。
クマが走ってくるのに気がつき逃げたが追いつかれ鋭い爪で背中、左肩、脇腹を引っ掻かれ負傷した。
Aさんは命に別状はなかったが、全治一ヶ月となる負傷をした。
次に襲われたのはAさんがクマに襲われているのを発見した66歳男性Bさん。
このBさんは最初に襲われていた男性を助けようと果敢にクマに対し石を投げ棒杖で追い払おうとした。
しかし興奮していたクマはさらにエスカレートしこのBさんは顔を咬まれて重傷を負う。
その後、近くのロッジ『銀嶺荘』経営者Cさん(当時59歳)が駆けつけBさんを助けようと素手で立ち向かったが逆襲に遭い顔、足に重傷を負った。
クマはなおもCさんを馬乗りになり執拗に噛み付いてきた。
『銀嶺荘』スタッフの男性2人Dさん(当時40歳)Eさん(当時22歳)が助けに近づき石などで応戦したがこのスタッフもDさんは頭部に重傷を負いEさんも軽傷を負った。
その時近くに停留していたバスやタクシーが一斉にクラクションを鳴らし、観光客たちの大きな声が山に鳴り響いた。
クマは大きな音に反応し、逃げる習性があるのを利用しようとしたものだ。
しかし、クマの興奮はおさまらず毛が逆立っていた。
次にクマは鳴り止まぬクラクションを鳴らす小型トラックを襲撃。
その間に他の車が現場に入り負傷者を乗せ避難し応急処置をおこなった。
クマは次には逃げようとしていたが、Bさんを収容するために近づいた2人に向かって走った。
それに気づいた2人は近くのパトロール員詰め所に逃げ、入ったがクマもドアのスキマから詰め所に入ってしまった。
一人はなんとかその詰め所から、逃げることができたが、もう一人の男性は窓から脱出を図り転落し足を骨折。
クマを閉じ込めようと、小型トラックを運転していた男性が入口ドアを塞ぐよう車を停車させていたが、強化ガラスを割り、クマは窓から逃走。
ここまでの出来事は事故発生から、わずか20分しか経過していない。
そのままクマは「ひだ丹生川乗鞍バスターミナル」に向かった。
そのころセンターにいたスタッフは駐車場にいた観光客100名ほどを屋内に誘導していた。
中央出口のシャッターを下ろしにかかったその時、数人を追うかたちでクマが走ってきた。
1階のお土産屋にはまだ観光客が100人ほどおり、パニック状態となった。
クマは逃げるバスガイドの女性Fさん(当時51歳)の耳を咬みちぎり押し倒した。
センターで働く34歳男性GさんはFさんを助けるべく、近くにあった消火器を噴射。
消火器を使いきると容器を振り回してたがGさんは右腕を咬まれ足も爪で引っ掻かれる軽傷を負う。
クマはそのままたくさんの人がいる土産屋に侵入、スタッフの女性Hさん(当時41歳)が襲われ、助けに入ったスタッフ男性Iさん(当時44歳)も怪我をした。
クマが2人のスタッフを襲撃している間に観光客はスタッフの指示に従い2階、3階と登った。
1部の観光客は2階にある非常用梯子段で外へ避難。その他は3階までのぼり内側から周辺にあった物でバリケードを作りあげた。
熊がターミナルに侵入してからおよそ15分。
一階を中央で仕切る格子状の鉄製バリアーを下ろしてクマを土産物コーナーに閉じ込めることに成功。
駆けつけた高山猟友会員、4人は土産屋に静かに近づきバリアーの格子の間から店内の様子を確認し、一斉射撃しクマを射殺。
その時の時間が17時58分。
事件が発生してからクマが射殺されてからおよそ3時間半が経過し解決した。
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乗鞍岳・畳平のクマ襲撃事件<まとめ>
事故発生時に乗鞍岳「ひだ丹生川乗鞍バスターミナル」駐車場に100人。バスには400人ほどおり、総勢で1,000人以上の観光客がひしめいていたと言われている。
『乗鞍岳・畳平のクマ襲撃事件』は3人の重傷、6人軽傷、併せて9人の負傷が起こった。
しかし1,000人以上の観光客がいるなかで、被害をこれだけ最小限におさえることができたのは言うまでもなく、地元乗鞍・畳平で働く「銀嶺荘」「ひだ丹生川乗鞍バスターミナル」の土産屋のスタッフたちが素手や周辺にあった物などで果敢に立ち向かい『観光客を守る』ということだけで立つ向かったからではないだろうか。
もし、スタッフたちの勇敢な行動がなければ被害は拡大していたのは間違いない。
しかし、観光旅行とはいえ、山にはいつクマが出没するかわからないというのは想定するべきである。
山に旅行に行く場合は、少しでもクマに対する危機意識を我々も持たなければならないだろう。
クマは走って逃げると追いかけてくる習性がある。
youtubeに熊が追いかけてくる動画がある。
それがこちらの動画⇩
次にこちらは国内で長野県白馬の動画⇩
遭遇した時にはすぐに逃げず、じっとクマの目を見て目そらさず去るのを待つか、それでも襲いかかった場合は、応戦を覚悟しなければならない。
クマに対してのグッズなども販売しているので、チェックしてみてほしい。
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